第43回散策会:小諸懐古園

今回の散策会は軽井沢の保養所「ヴィラ フェニックス」が3月末で閉館とのことで、1泊で小諸の懐古園に行きました。

21名の参加者が3月27日(月)新幹線と車に別れて目的地に向かいます。当日は何と朝から春のなごり雪、佐久平駅に降りると一面の雪景色です。小海線に乗り換え小諸駅にお昼頃到着し、昼食のため蕎麦屋に向かいます。


「そば藏・丁子屋」は文化5年(1808年)創業の北国街道の追分にある店で、冷えた体を熱燗で癒しつつ、蕗の薹などが入ったてんぷらとそばを堪能しました。

腹ごしらえも終わり、徒歩で「懐古園」に向かいます。春休みながら平日で、しかもなごりの春雪とあり人影はまばら、広い園内をゆっくりと散策することが出来ました。

懐古園である小諸城の歴史は古く木曾義仲に始まるとされ、戦国期は武田の家臣山本勘助に係り、江戸期に仙石氏、牧野氏に引き継がれ明治4年に「懐古園」と名を変え現在に至っています。

園内は「島崎藤村」「小山敬三」「高浜虚子」など所縁の多い記念館があり、参加者それぞれのペースで巡りますが、木々の芽は固くわずかに福寿草の花が咲いている状態でした。しかし時ならぬ春の雪を被った浅間山の峰々は綺麗で旅の詩心を誘われました。

ヴィラ フェニックスでは美味しい洋食にお酒と、何よりも参加者の尽きない話で消灯の時間まで楽しみました。

翌日は食堂を使用させてもらい句会を開催しました。俳句になじみのない参加者も全員参加し楽しい句会が出来ました。

11時頃に句会を終了し、それぞれのルートで家路に向かいますが、思いで深い軽井沢の会社保養所を惜しみつつ解散しました。

以下軽井沢句会の句(作者判明分のみ)

石垣の苔の艶めく春の雪      桑島久乃

武士の声も空濠母子草       小川 亶

春雪と光を衣浅間山          蓮尾碩才

石垣に砂糖まぶした懐古園    小田充郎

澪落ち枯木に遠き浅間山     今井寛治

石垣のものの芽濡るる曲線美   大崎太郎

春寒し日だまりさがす古城跡    桑島貞明

空堀にさぞやなんぎちと春の園  坂井正巳

城跡に秘めやかに作福寿草    西聰太郎

淡雪や石垣にうらす古戦場     野崎幾代

山肌に春の雪おく浅間山      大崎克子

残る雪石垣に棲む武者の霊    花房俊明

春の雪藤村の詩聞こえ来る    浅野浩利

春の雪私をせめる風がすき      左八重子

千曲川雪解の水を集めおり     小泉 晃

右浅間左千曲のなごり雪      徳弘多史

車窓より凛たる浅間雪解光     土方元夫

霞立つ信濃の山は二重三重   中川昌明

蓮尾 碩才記

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