今月の一句(9月どうしん句会)

今月の季題は「露」でした。

今月の特選第1席の句は、中島篤三さんの「二百十日農家の無人販売所」が選ばれました。

後藤先生からは、「今月の兼題・露はなかなか難しい季語であるが、皆さんそれぞれの思いも入れて上手に作っていたと思います。ただ助詞の使い方で問題のあるものもあり、惜しい句もいくつかありました。」との講評をいただきました。

写真は8月の特選第一席句「沿線の玉蜀黍の花戦ぐ」の鹿児島俊之さんです。

 

以下、特選句・入選句と会員の句を掲載します。

今月の特選句
二百十日農家の無人販売所          中島 篤三
菜園の小菊揃えて仏花とす          浅野 浩利
小さき手に右往左往の芋の露         桑島 久乃

入選句
朝露やキャベツ畑の出荷前          小川  亶
露の玉風に吹かれて歪みけり         桑島 貞明
白露過ぎうすももいろに朝の雲        徳弘 多史

今月の会員句
露けしや小さき命の庭の墓          花房 俊明
山車行列手締の合図還御せり         土方 元夫
夜を深めとぎれとぎれの鉦叩         大崎 太郎
果てるまで丸や楕円に芋の露         蓮尾 碩才
開け放つ窓に飛び込む虫時雨         野崎 幾代
一人立つ蚕糸の森は露しとど         八尋  晃
雑草の露蹴散らしてラガーマン        坂井 正巳
朝まだき草の装ふ露の珠           下山 道郎
蓮の葉を転がる露か水晶玉          西 聰太郎
朝露やカンディンスキーの「空の青」     鹿児島俊之
太陽光パネルにすいと赤蜻蛉         佐道  正
たわむれに露分け進むむぐらかな       中川 昌明

                    蓮尾碩才記

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