今月の一句(2月句会)

KONICA MINOLTA DIGITAL CAMERA1月25日(土)俳句の会の会員をはじめ16名が「第25回の句材探しの散策会」を」芝増上寺と芝公園で行いました。

JR浜松町駅より歩いてすぐ「大門」をくぐり、やがて増上寺の表玄関とも言える偉風堂々の三門(三解脱門)を抜けると、なんだか「貪り、怒り、愚かさ」の三つの煩悩が和らいだ気がして境内に踏み入れる。あとは三々五々、「大殿」「安国殿」「光摂殿」「圓光大師堂」「経堂」「芝東照宮」「芝丸山古墳」「徳川将軍家墓所」など、神妙な顔つきで見て回る。

増上寺は徳川家康公の江戸城入府を受け、慶長3年(1598年)現在地の芝に建立され、以後、徳川家の提寺として崇められてきたが、明治時代の廃仏毀釈、大火さらに戦災などで、殆どの伽藍を焼失しながら、今は上記の諸伽藍ほか多くを再建した。詳しくは、当日配られた解説書に譲るとして、浄土宗の信徒の人もそうでない人も、親しく「南無阿弥陀仏」を唱えて解脱した日であった。

約2時間境内を歩いた後、梅の咲き始めた芝東照宮や都心には珍しい丸山古墳を越え、まだ緑少ない芝公園をよぎり最終集合地の東京プリンスホテルのロビーに辿りつく。

暫く休憩の後、懇親会場の新橋・居酒屋「三蔵」に移り、鶏なべの湯気に包まれながら酒杯を重ね、六時過ぎ家路に向かいました。(花房・記)

 

湧水の石の小踊り春浅し        中島 篤三

おたまじゃくし水面音なくふくらみぬ  沼田 重子

膝にある海苔弁ほのか春浅し      小川 亶

春浅し農夫ひとりの鍬の音       大崎 太郎

ふるさとの遠き海鳴りうるめ焼く    徳弘 多史

春浅し薄墨の文とどきけり       花房 俊明

薄氷を割り赤い靴青い靴        蓮尾 碩才

水仙の海遠ければ海を恋ふ       坂井 正巳

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