今月の一句(12月どうしん句会)

今月の兼題は「息白し」でした。

暖冬との予報ですが、強烈な寒波の襲来で、まさに白い息を吐きながら皆さん今年最後の句会に集まりました。終了後は恒例の忘年会、後藤先生も参加し賑やかに今年も終わりました。写真は11月の特選第一席句「乱杭に置かれし小石鵙日和」の葛巻正樹さんです。

以下特選句・入選句と会員の句を掲載します。

今月の特選句

長靴と下駄の朝市息白し       蓮尾碩才

山茶花の散る公園の水たまり    桑島久乃

調停の長椅子無言息白し      中島篤三

入選句

息白し手ぶり身ぶりの魚市場   花房俊明

海からの匂ひ溶け込む野水仙  大崎太郎

手をこすり朝立ち話白き息    下山道郎

くくられて勢いづけり冬の菊   浅野浩利

会員の句

朝市や値切る買手の息白し    土方元夫

靴底に師走の音を刻みおり    小川亶

丹頂の空へ白息放ちをり     桑島貞明

漱石忌情を伏したる枕かな    徳弘多史

競り市の掛け合ふ声の息白し  野崎幾代

天仰ぎ嘶く子馬息白し       坂井正巳

搾乳のホルスタインの息白し   鹿兒島俊之

白息や電車遅延のアナウンス  佐道正

短日や一週間の早きこと     中川昌明

橇うごく輓馬の一歩息白し    葛巻正樹

(蓮尾碩才 記)

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