今月の一句(2月どうしん句会)

2月どうしん句会

今月の兼題は「マスク」でした。
時ならぬ新型コロナウイルスの蔓延で、マスクが注目を集め、街中がマスクだらけの状況になり、予期せぬタイムリーな兼題となりました。
マスクは冬の季語ですが、これからは季節に関係なく着用されそうです。

今月の特選句
冬の夜や茶碗に注ぐ白湯の影      葛巻正樹
マスクせし目の寂しきに気付きけり   佐道正
墨東の頬打つ風や春隣         桑島貞明

入選句
まな板を洗う手ざわり春立ちぬ     小川亶
値切らんとマスクを外す女どち     桑島久乃
せせらぎを遠く近くに探梅行      坂井正巳
春立つ日言問橋を大股に        浅野浩利
徐に見つめ合う冬嘴広鸛        鹿兒島俊之

会員の句
執刀医マスク外して真顔なる      花房俊明
助六の稲荷のり巻き春立てり      土方元夫
春の川屈む台座の芭蕉像        中島篤三
武漢熱世界中がマスクする       大崎太郎
白マスク両目かくるる背中の子     徳弘多史
強欲を隠しきったり大マスク      蓮尾碩才
水溜るポストの上の春の雪       野崎幾代
初雪を報せる姉の長電話        中川昌明
七十才探すはいつもオリオン座     宇都宮隆文

(蓮尾碩才 記)

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